JA埼玉みずほ

金融機関コード 4859

税務相談

質問

 今年からマイナンバーの利用が始まるそうですが、農家が提出する申告書等には全て個人番号を記載して提出するのでしょうか。個人番号通知書(市町村役場から送られてきた紙のカードのこと)は使えないのでしょうか。マイナンバーを記載しなかった場合はどうなりますか。

回答

個人番号は今年から利用開始に

 平成27年10月に住民票のあるすべての国民に個人番号(マイナンバー)が割り当てられ、平成28年1月から順次利用が開始されています。個人番号カード(紙の通知カードをもとに本人の申請により市町村役場から発行される顔写真付きの磁気カードのこと)を持つことは義務ではありませんが、行政の窓口では本人を確認する最良の手段になることは確かです。これからは税金、年金、雇用、健康保険、医療などの事務が個人番号で処理され、近い将来は診察券や運転免許証などとして、ポイントカードやクレジットカードも一体化して個人番号カードひとつになりそうです。来年以降は行政からの有用なメッセージを受けられるほか、自分の個人番号が何に使われたのか、税金の納付状況や社会保険料の負担額が一目でわかるようになります。

個人番号の記載

 マイナンバー制度の導入によって税法も改正され、税務署長に提出する申告書や支払調書、申請書、届出書には個人番号を記載することが義務付けられました。税務署では個人番号の記載のない書類が提出された場合でもこれを受付けることにしています。これは、すべての人が個人番号を持っているとは限らないため、番号記載のないことをもって書類を受理しないということはないためです。

申告書等の提出とマイナンバー

 税務署へ提出する書類に個人番号の記載を必要とするのは、平成28年1月1日以後の所得と消費に対する申告書、平成28年1月1日以後に開始した相続に係る申告書、平成28年1月1日以後に贈与を受けた人の申告書、平成28年1月1日以後に支払われた給与等の給与支払報告書(源泉徴収票のうち本人へ交付するものは不要)・不動産の使用料等の支払調書、平成28年1月1日以後に提出する青色申告承認申請書などの申請書や届出書などの提出書類です。

個人番号カードの記載と本人確認

 個人番号を記載した申告書等を提出する際は税務署の窓口での本人確認が必要になります。本人になりすまして他人のカードを悪用するのを防止するために行うものです。改めて個人番号カードを提示して頂くか、紙の個人番号通知カードを提示する場合は、他に運転免許証など本人を特定できるものが必要になりますので留意してください。

所得税とマイナンバー

 所得税は暦年(1月1日から12月31日まで)課税ですから、平成29年1月1日以降に提出する平成28年分の申告書から個人番号を記載することになります。なお、平成28年1月1日以後に開始した相続に係る被相続人の所得税の準確定申告については平成28年中に提出する場合でも申告書や付表に被相続人と相続人の個人番号を記載することになりますので留意してください。

消費税とマイナンバー

 個人の消費税は原則として暦年(1月1日から12月31日まで)課税ですから、平成28年1月1日以後の課税期間に係る消費税の確定申告書は、平成29年2月16日から平成29年3月31日までの間(課税期間を3ケ月または1ケ月とする特例を選択している場合は平成28年5月31日または平成28年3月31日が申告期限になります)に個人番号を記載して提出します。

相続税とマイナンバー

 平成28年1月1日に開始した相続に係る相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ケ月以内ですから平成28年11月1日が申告期限になります。平成28年分の相続ですから、申告書には被相続人と各相続人の個人番号の記載が必要になります。なお、延納申請書や物納申請書にも個人番号を記載します。

贈与税とマイナンバー

 平成28年中に財産の贈与を受けた人は、贈与税の申告書に受贈財産や贈与者の氏名住所のほか贈与者と受贈者の個人番号を記載して平成29年2月1日から3月15日までに申告します。

給与所得者とマイナンバー

 青色事業専従者をはじめ給与所得者は、平成28年1月1日以降に支払われる給与について、その支払日の前日までに扶養親族や控除対象配偶者の氏名のほか、それぞれの個人番号を記載した扶養控除等申告書を給与等の支払者に提出しなければなりません。

 提出を受けた給与等の支払者は、本人が提示した個人番号カード等によって本人確認をしたうえで給与等の支払い事務を進めます。年末には扶養控除等申告書の異動事項を確認のうえ、年末調整(源泉徴収税額の過不足の精算)、支払調書の提出作業を行います。

支払調書とマイナンバー

 平成28年1月1日以降に支払われた給与や報酬・料金、使用料等の支払調書には支払者と支払を受けた人の個人番号を記載して平成29年1月31日までに税務署長に提出することになっていますので留意してください。